
制作年: 2006年
制作国: イギリス
監督: サイモン・ラムリー
出演: レオ・ビル、ロジャー・ロイド=パック、ケイト・フェイ、サラ・ボール
原題: THE LIVING AND THE DEAD
制作: サイモン・ラムリー、エリオット・グローヴ、ウディ・ティワリ、ニック・オハガン
脚本: サイモン・ラムリー
収録時間: 83分
色: カラー
※DVDレンタルぽすれんより
【ストーリー】
ある日ドナルド卿は自らが所有する屋敷を明け渡すことを決めた。しかしその後、精神を患っていた息子が突然奇怪な行動を起こす。
【予告編(TRAILER)】
【スクリーンショット】





【レビュー(ネタバレ有)】
脳に傷害がある青年と、その家族。
もんのすげーデッカイ屋敷に住んでいて、母親も病気で要介護の身。
ある日、父親は出張のため家を空けることになったものの、残された二人は普通の暮らしが出来る状態ではないんですね。
『フツー』でありたい青年にとって、父親の存在は苦痛であったため、出張の機会に投薬を自己判断で止めてしまいます。
その演出は、直接的な描写ではナイものの、かなりショッキングで精神的な耐性を必要とします。
一錠しか必要のない母親の服薬を、一度に六錠も飲ませるシーンは、嘔吐までを含めて感情移入のしづらい、狂気溢れる演出になってますね。
展開は、緊張感が非常に高まったところで、現実と過去とのカットバックが挟まり、常に強いサスペンス状態が続きます。
母親の手術シーンも、素晴らしいでっす!!!!!
これ、クライマックスから照明の色温度を、変えているんですよね。
その効果もあって、とても冷たく不快な重々しさを感じることができます。
えっと…ちなみに、自分で注射をたっくさん打っていくところから幻覚までのシーンは、かなり精神的にキツく、正視するには結構な耐性が必要とみます。
この青年、完全に入院加療が必要な症状ですが、両親はなぜ入院させなかったのか。
なぜ、父親が出張するにあたって、完全に看護の手配を済ませておかなかったのか。
発作を抑える注射を、自由に手に出来る環境になっていたのは、父親の方針によるものなのか。
また根本的に、なぜ街から離れた必要以上に大きな屋敷に、三人で生活していたのか。
そして、青年が常にナイフを、懐に持っていた必要性は…。
そんな、途方もない謎が、終盤で一気に押し寄せてきます。
まだ、こんな映像を作れる作家がイマシタか!!!!!
相当な問題作ですが、耐性をお持ちの方には、オススメしたい作品です。
【特選・趣深いシーン】
螺旋階段のアオリと俯瞰のカットバック。
脚本 : ★★★★★
恐怖 : ★★★★
グロ : ★★
狂気 : ★★★★★
不快 : ★★★★
※5点満点。あくまでも、主観評価デス〜(^▽^)o